事故防止のために No.9
電気工事不具合事例
電気工事不具合事例を紹介します。
使用環境による結束バンドの種類を考慮する必要のある事例です。
類似の事故を防止するためにも、これらを参考に電気安全に努めてください。
[件 名] 結束バンド破断による高圧充電部への接地線接近
事故発生の電気工作物: DS用A種接地線
受電電圧: 6.6kV
被害の内容: 使用環境不適合による結束バンドの破断
[事故の状況]
・台風翌日の自家用電気工作物月次点検で確認された。
・屋上に設置されたキュービクル型変電設備内で、
耐候性でない結束バンドで各配線が固定されていた。
・DSのフレームアース用A種接地線の結束バンド5か所が破断し、
接地線が高圧充電部ブスバーに接近(約2cm)、最悪の場合高圧地絡事故に至る恐れがあった。
キュービクル竣工から約8年目
[事故の原因]
- 屋外のキュービクル内は、温度変化、湿度変化、太陽光による紫外線など、厳しい環境にある。
よって耐候性などの耐久力の強いものが使用されるべきであった。
[事故の防止対策及び教訓]
- 特に屋外設備などで結束バンドを使用するときは、耐候性のあるものを選定する。
- 天井換気扇用配線、DSやLBS用接地線、ZPD用信号線など、
変電設備上部で使用される配線は、固定が外れた時に高圧部に接触の危険性が高いので、
止め具などには、十分な注意が必要である。