事故防止のために No.10

電気事故例(感電負傷事故)
電気事故例として、電気工事に関係する感電負傷事故を紹介します。事故は、安全作業への配慮や作業に
とり掛かる際の安全確認を怠ることなどに起因しています。これらを参考に作業安全・事故防止に努めてください。
また、産業保安監督部のホームページには、当該地区の電気事故が掲載されています。
類似の事故を防止するため、そちらも参照してください。

[件 名] 動力分電盤補修作業中のアーク火傷事故
[事故発生の電気工作物]  動力分電盤の銅バー  
[受電電圧]  6.6kV
[被害の内容] アークによって衣服が燃え、顎、両腕、両手、脇腹、大腿部にⅡ度の火傷

[事故の状況]
自家用構内の動力分電盤にて、ケーブル貫通部の穴埋め作業を実施していたところ、充電中の銅バー
短絡により発生したアークによって火傷を負った。
作業員は、充電中の銅バーに身体が直接接触しないよう、中蓋を閉めた状態にしていたが、中蓋内側には
仮設電源を引き出すために外してあった本設ケーブルがあり、中蓋は完全には閉められていない状態であった。
外してあったケーブルの端部は絶縁処理されておらず、充電部に接近した状態で残されていた。
そのため作業で中蓋を押した拍子にケーブル端部が銅バーに接触、短絡に至ったものと推定される。
なお、作業服が難燃性素材でなかったことから、短絡アークによる炎が作業服に燃え広がり、火傷の範囲と
程度を大きくしたものと考えられる。(防犯カメラの映像から分析)

[事故の原因]
1.活線で作業を実施した
2.仮外し中の配線端部が銅バーに接触した。
3. 仮外し中の配線端部が絶縁処理されていないうえ、癖取りがされていなかった。
4.仮設専用盤が設置されていなかった。
5.保護具と防護具を使用していなかった

[事故の防止対策及び教訓]
1.仮工事中など、設備が複雑になっているような場合は、停電による作業を実施する。
2.活線近接作業を実施するときは、保護具と防護具の使用を徹底する。
3.仮外し中の配線端部などは絶縁処理する。
4.仮設電源は本設から供給せず、仮設専用盤から電源を確保する。
5.難燃性の作業服にする。